山形県労連などが参加する山形派遣村等実行委員会がよびかけ、生活保護受給者の声をまとめて、安倍首相などへ手紙を送付する取り組みが行われたそうです。大変重要だと思いましたので、県労連に許可をいただき、ここに転載します。とても長いですがぜひ最後までご覧ください。なお、受給者の声そのままですので、一部に私たち共産党の主張と違う考えの方もいらっしゃることはご留意ください。
‐‐‐‐‐以下メールによる案内文‐‐‐‐‐
関係団体 御中
皆様、お疲れ様です。
生活保護制度の改悪法案が参議院の厚生労働委員会で強行される可能性が強まっています。
こうした情勢の中、山形派遣村等実行委員会は、生活保護受給者に呼びかけ、安倍首相宛て「生活保護制度改悪しないで下さい」というお手紙を書いてもらう取り組みを行いました。50人に呼びかけたところ、17人から手紙が寄せられました。
別紙のように手紙をまとめました。
これを、23日から24日にかけて、安倍首相、田村厚生労働大臣、参議院の厚生労働委員に送付しました。
また、この手紙を本日、県庁内で記者会見し公表したところ、ＮＨＫと民放４局（テレビカメラ5台）、山形新聞、朝日、毎日など多くの報道機関が取材し、関心の高さを伺わせました。
以上、報告です。
山形県労連 （事務局長名）
‐‐‐‐‐以下手紙全文‐‐‐‐‐
安倍首相へ
生活保護制度を改悪しないで下さい 〜生活保護受給者からの手紙〜
１．【66歳・女性】
今年の4月から生活保護を受給しています。受給するまでには、税金で生活することへの申し訳なさやためらいなどで、なかなか決心がつきませんでした。
でも民生委員の方の助言もあり、今はなんとか生活できるようになりホッとしています。
最近は生活保護受給者に対するバッシングが声高に叫ばれていますが、税金で生活していることを自覚し、なるべくシャワーですませたり、食料品も安売りのものばかり買うなど、切り詰めた生活をしています。受給者のほとんどの方はそうだと思います。不正受給者はバッシングされて当然ですが、必死で生きている弱者をこれ以上いじめないで下さい。今以上の保護費の切り下げは、なんとか生活している者にとってはかなり厳しいものです。
どうぞ弱者に対して優しさのある政治を行って下さい。心からお願いします。
２．【55歳・男性】
東日本大震災が起きてからまる2年3ヶ月以上たちますが、まだまだ不安がいっぱいです。その前から生活保護を支給されて生活しています。
目が不自由で仕事がなかなか見つからずにいます。切り詰めて生活していますが、生活保護費をこれ以上減らされたら困ります。生活費を減らさないように、お願いします。
３．【42歳・男性】
自分が生活保護を受けたのは、勤めていた会社が倒産し、ハローワークに通っても定職が見つからず、貯金が底をついたときでした。妻とは離婚し、子どもを1人育児しておりました。
まず、市役所の窓口に行ったときは、犯罪者でも見るような目つきで、警察の取調べのような陰険で悪質な質問ばかりで、しまいには「別れた妻に養ってもらえ、別れた妻の再婚相手に養ってもらえ」など人間とは思えない言葉を投げつけられました。心が折れ、保護申請を辞退しようかと考えてしまいましたが、辞退したならば、子どもにご飯を食べさせることもできなかったでしょう。運よく、弁護士や司法書士の先生方がボランティアで行っている活動を知ったので、なんとか生活保護を受けることができました。
窓口での水際作戦は、生活保護を受けたくとも受けられない人が多数出てしまい、生活に困る人ばかりになるのではないでしょうか。
アベノミクスと騒いでおりますが、私たちには全く関係なく恩恵が感じられません。1部の人にしかメリットがないようなかんじです。
孤立死や餓死者が出たら、安倍首相、あなたの責任です。
４．【51歳・男性】
弱者の立場になって物事を考えて政治を行うことも、国民が選んだ政治家ではないのか。一部の心無い不正受給者のため、本当に苦しんで、自殺や餓死したりしている者たちがいるのに、ただ受給者が多いというだけで、このような決め事をしていいものだろうか。
欲しい物も買えず、食べたい物も食べられずにいる人たちの声に真摯に耳を傾けるべきだ。あなた達も、私たちと同じ今の苦しみを味わえばわかるはずだ。
好き好んで生活保護を受けているのではない。あなたは何のために首相をやっているのですか？弱者を切り捨てるために政治をやっているのですか？
この問いに答えて下さい。
５．【46歳・男性】
私は、以前勤めていた会社が倒産し、住所不定・無職のホームレス生活をするまで落ちる人生になりました。
生きることもあきらめるようになりましたが、あることをきっかけに生活保護制度があると知り、地元のＮＰＯ法人に相談しました。それから市役所へ行き、住むところを見つけていただき、現在就職活動をできるところまできました。この制度があって、本当の意味での第２の人生を始められる、生きていけると思えます。
最低限、現状維持でもよいので、続けていただきたいと願うばかりです。
６．【63歳・男性】
ここ何年間は○○動脈硬化症、狭心症で働きたくても働けず、「さくらんぼの会」の先生方にお会いして、生活保護の申請をしてもらい、ここ何年間を生きています。改悪してしまったら、このままの生活がままならず、生きていけません。ぜひとも、国の先生方には、このままそっとしておいて下さい。
７．【30歳・女性】
私は父からの家庭内暴力で精神的に具合が悪くなり、通院中です。なんとか生活していますが、これ以上、保護費を減らされたり扶養義務などが厳しくされると、私のような人たちが苦しむことになります。どうか助けて下さい。
今、虐待が増える中、生活保護は絶対必要です。
８．【54歳・男性】
生活保護の受給者として、納税をしている方々に大変申し訳なく思っています。様々な事情からこの制度に助けていただいています。
世の中には、生きていくことが下手な人がいます。運という言葉でかたづけるには適当ではないかもしれませんが、思うにまかせず、このようなかたちになっています。
自業自得と笑われるかもしれませんが、この制度が改悪される、イコール「死」を意味します。自立できるよう、必死でもがいている人もいるのです、この生活保護で。
弱者を守って下さい。お願いいたします。
９．【66歳・男性】
私たち生活保護で生活している者で、制度が改悪されてしまうと生活ができなくなることもあると思うので、むしろ保護者の立場になって、政府が改悪でなく、よい方向へと改善してもらいたく、よろしくお願い申し上げます。
10.【75歳・男性】
最大限の効率をはかるということで、生活保護の給付水準が引き下げられますが、現在でもギリギリの生活状態です。支給額が減り、それならいつでも死んだ方がましです。これ以上、縮めないでほしい、毎日が生活できない。最低限度の生活をしています。生きていくうえでの楽しみや喜びを見つけるのが大変です。金を使わず楽しみを見つけるのは年齢的には難しい、今の諸物価の高騰の折、ただでさえ苦しい生活を余儀なくされているにもかかわらず、さらに追い討ちをかけられている。
改悪は絶対反対。今の生活保護費が足りると思うこと自体が理解できません。引き下げではなく、少なくとも上げていただきたい。老齢加算を戻してほしい。同和行政や大型開発をしなければ、行政にも福祉の心が通うはずです。生活保護なんて名ばかり。これ以上苦しめないで下さい。われわれは早く死ねというように感じます。年寄りに生きる権利はないのでしょうか。国の無駄遣いをやめ、福祉にお金をまわしてほしい。
11.【61歳・男性】
母親が老人ホームに入って、無職の私に後かたづけを押し付け、市役所に行っても相手にされず、派遣村で救われました。
12.【60歳・男性】
震災を目にしている人間であれば、何故、各県が予算を言っただけで受理をされているが、返金でもする方が先ではないか。その分を東日本・被災地や本当に必要な国民（生活保護・・・）へまわす方が先だ。
どこのバカがアフリカ等々に4000億もの金があれば、もっと自分の国を先に考えろ！！
13.【48歳・男性】
私たちの声が聞こえなくなっていませんか？本当に生活保護を必要とする人を助けて下さい。
前向きな生活保護制度を心から願っています。
生活を守る最後の権利を不充分とせず、私たちをきちんと見て守って下さい。
よろしくお願いします。
14.【61歳・男性】
人間らしく生きることのできるセーフティーネット、最後の砦である生活保護制度を維持して下さいますようお願い申し上げます。
人間である限り、すべての男女は誰一人として、1日たりとも生命の保障も、衣食住も、全て一切保障されて、この宇宙・地球・自然・人間社会の中で生きていられる人はいません。お釈迦様が説かれましたように、人間本来、一切無一物ですが、あらゆる繋がり・恩恵の中で目に見えるもので、目に見えないもので支えあっています。
そして言い方は何ですが・・・この世界、自然、人間社会の中で、ミスター○○、ミセス○○は存在しません、すべてはつかの間のことであり、勝ち続けることなどできる男女はいません。わたしは、私たちは、生涯供給する側であり続け、わたし、私たち側とは無関係と言いきれる男、女はいません。状況・条件次第では、誰でもいつでも同じような状況・状態に追い込まれてしまうこともあり得るのです。
セーフティーネット、最後の砦である生活保護制度のおかげさまで、人間らしく生きることができます。繋がりあいを感じることができます。
15.【57歳・男性】
現政府の方々へ
現政府は年金受給年齢の引き上げや年金のカット他、多数の問題を政府の財政に置き換えて改定しようとしていることには、納得できません。議員定数、議員、公務員の給与等を見直しもせず、選挙公約の定数、違憲のまま先送り、痛みを感じるのは弱者としか思えません。
さらに、今回の生活保護制度を改定しようとしていることには、腹立たしい思いしかしません。まず、自分たちの姿勢を変えたうえで説明すべきではないでしょうか。一度よく議論したうえで、納得のいく解答を望みます。
16.【58歳・男性】
生活保護を受け取るまで、自業自得とはいえ、生活ができなくなるとは思いませんでした。自殺・・・でも勇気がありませんでした。本当に苦しかった。本当に苦しんでいる人たちもいると思います。
どうか、申請時も何度となくはねつけず、受け入れてもらいますよう願っております。
仕事で収入が得られない以上、親族に、と考えますが、親族も個々の生活でいっぱいいっぱいが現状のようです。最後は、やはり生活保護制度が髄一生きる道筋と思います。
どうか、よりよい生活保護制度の改革を望みます。
17.【55歳・男性】
自民党はもともと大企業と国家官僚に助けられ、長年政権を安定させることができた政党だから、弱者といわれる人たちの救済などは、ただ単に野党まかせであり、法律まかせであったように感じている。しかし、民主党に政権を明け渡し、少し反省したかと思いきや、右よりの安倍総理を担ぎ上げ、政・官・民の癒着構造を取り戻そうとしている。われわれ生活保護者のために本気で立ち向かう政党では、そもそもないのである。
東京という大都市には、テレビ局や大企業本社、政治家をあやつる官僚、徳川家康の江戸幕府のように、地方には参勤交代させていた頃と何ら変わっていない。
一生、生活保護を受取って生きてゆこうとする人間もいると思うが、消費税が10％になることで許しを請いたい部分もあり、現状の生活保護制度を変えなくともよいのでは？不正をする者はもっと厳しくしては？